諸井醸造 / 秋田しょっつる ハタハタ100% 130g
ハタハタと天日塩だけで使った秋田が誇る万能調味料!
日本の三大魚醤の一つです。
諸井醸造所の「秋田しょっつる」は代替原料を一切使用することなく、ハタハタの魚肉・内臓などを食塩と混合し3年程度発酵・熟成させてつくられています。このあいだに魚自身の持つ酵素作用で、タンパク質がアミノ酸に分解され、旨味がぎゅっと詰まった「秋田しょっつる」が出来上がります。
市販のナンプラーより味にコクと深みがあるため、これがあれば、出汁いらずでお料理が劇的に美味しくなります。時短にも!
原材料名 | ハタハタ、食塩 |
---|---|
内容量 | 130g |
製造者 | 株式会社 諸井醸造 |
コタンのブログ記事より
日本三大魚醤の一つ 秋田のしょっつる
秋田しょっつるの原料であるハタハタは、秋田県の県魚。
魚偏に神と書いて「鰰」ハタハタ。その昔、厳冬の日本海沿岸の人々にとって、冬の訪れに轟く雷(神鳴り)と共に突然海岸に打ち寄せる獲りきれないほどのハタハタは、神様が遣わした魚と信じられ「鰰」と呼ばれるようになったと云われています。
そのハタハタも七〇年代以降は乱獲のため激減。数十年前の1〜2万トンというまさに無尽蔵の漁獲量から、どん底の91年には70トンにも激減し、絶滅の危機に瀕した。そこで翌92年から3年間、地元の漁師たちは自主的な全面禁漁に踏み切りました。これは漁師たちが自主的に規制をした世界でも初めての、唯一のケースです。
その後、毎年の資源状態に合わせて漁獲する資源管理型漁業へと転換。身を削る行動が実を結び、2000年には1000トン、03年には3000トンを上回るようになり、秋田の味は守られました。
そのハタハタで作るしょっつるは、新鮮なハタハタを天日塩に漬け、仕込み樽に入れ重石をして、ときどきかき回して空気を入れるだけであとは基本的に何もしない。ただし、醸造期間中は、温度や発酵環境に細心の注意を払います。
とはいえ人が出来ることは、発酵がより良い状態で行われるように手助けをするくらいで、あとは自然のチカラを見守り、ただひたすら待ちます。
その後1〜2年ほど経てばじわじわ発酵し、タンパク質がアミノ酸に分解される。身は分解されて液状に。熟成期間は長ければ長いほど、まろやかさと芳醇さが増します。
ドロドロの味噌のような濃厚な原液を漉し布でろ過すると、琥珀色に澄んだ一滴が抽出されます。
あとは加熱処理をすれば、「秋田しょっつる」の完成です。
1トンのハタハタから多くて500リットルの魚醤。水も調味料も保存料も何一つ加えない天然の旨味調味料のため大量生産はかなわない。
とにかく匂いが気になるという印象の魚醤ですが、ハタハタだけで仕込むと匂いがほとんど気になりません。
火を通せば塩辛さは甘さとコクに変わり、クセが無くなり、味がより一層深くなります。
使い方としては、しょっつる鍋が字のごとく有名ですが、パスタの味付けに使ったり(しょっパ)、炒めものに使ったり、最近では良く使われるようになったナンプラー(魚醤)と同義。しかしあったかいアジアの地域で出来る魚醤(半年ぐらいで完成)と日本の気候でじっくり2年以上熟成されたものはまた違う味わいです。土地のモノを日常食にしていきたいですね。
おじゃまします。
2008.2.16 ひで
使い方
「しょっつる」は塩分がしっかりあります。
調理に使う時には少量ずつ足して、「塩味」と「旨味」をプラスします。
・卵かけごはん(超おすすめ!かけすぎに注意)
・茶碗蒸し(おすすめ)
・お吸い物
・卵焼き
・鍋のつゆ
・ラーメンのスープ
・チャーハン
・パスタ
・炒め物
・焼き魚
・八宝菜
など、基本的にどんな料理にも合います◎
日本三大魚醤「しょっつる」
そもそも魚醤は、中国・韓国をはじめ東南アジア一帯で万能調味料として古くから親しまれています。タイのナンプラー、ベトナムのヌクマム、カンボジアのタクトレイや、古代ローマ時代にはガルムと呼ばれる魚醤など、各地の食文化に根付いています。
日本でも古来は醤(ひしお)と呼ばれ、平安時代の諸制度を記した延喜式には「鯖醤」「鯛醤」などが記され、平城京や平安京の市でも売られていたといいます。
秋田の「ハタハタのしょっつる」は、石川の「いしる(いしり)」や香川の「いかなご醤油」と並ぶ日本三大魚醤のひとつとされています。
しょっつる(塩汁・塩魚汁)の歴史は江戸時代の初期とされ、本来魚と塩だけを桶や樽に仕込んでいた素朴な旨味調味料でした。ところが過去20年近く、本物のしょっつるが、本場である地元秋田から姿を消していたのです。
1970年代までは大量に水揚げされたいたハタハタ、冬の間のタンパク源として秋田の食文化に深く根ざしていました。ところが数十年前は1〜2万tもの、まさに無尽蔵とも言える漁獲量だったハタハタが、乱獲のため70年代以降激減。どん底の91年には70tにも激減し、絶滅の危機に瀕してしまったのです。
そこで翌92年から3年間、地元漁師たちは自主的な全面禁漁に踏み切りました。これは漁師たちが自主的に規制をした世界で初めての、そして唯一のケースです。
その後、毎年の資源状態に合わせて漁獲する資源管理型漁業へと転換。この背景には杉山秀樹氏を中心とした秋田県水産振興センターの研究者によるハタハタの生態解明や増殖技術の開発などの尽力がありました。
身を削る行動が実を結び、2000年には1,000t、03年には3,000tを上回るようになり、秋田の「味」は守られたのです。
諸井醸造所 諸井秀樹さんの「しょっつる」復活への取り組み
昔はしょっつるは自分の家で造るもの。特に漁師の家では殆どの家で造っていたと思います。昔は醤油は高級品で、毎日の食事に使えるようなものではなかったため、代わりに気軽に使えるしょっつるを造っていたんです。
ところが、東京から帰ってきて市販されているものを色々分析してみたら、愕然としてしまいました。漁師さんたちが自家用として丁寧に造っているもの、つまり「受け継がれてきた伝統の味」と比べるとその差が大きすぎる。このままでは市販のしょっつるは、消費者に見放されてしまうと思ったんです。
折りしも、漁獲の激減によりハタハタは価格高騰し、何より92年からの全面禁漁という苦境ではあったものの、それでも「こういう時だからこそ、本物の味を紹介したい」という決意で、97年から食品研究機関の専門家と試験醸造を開始。
「いま、確固としたしょっつるを後世に残さなければ、秋田のしょっつるは幻と消え、ハタハタの食文化は守れなくなる」という危機感が私を一歩前へと突き動かしたのです。
「試行錯誤の末の結晶」
ハタハタしょっつるの復活に際して「原料はハタハタと塩だけ」「魚臭くない、上品でまろやかな味」という譲れない一線を自らに課しました。
83年から始めたしょっつる製造は、試作と失敗の繰り返しという手痛い経験からの再出発でした。
製造元の高齢化と後継者不足による廃業も続いていた。原料のハタハタは減少によって高騰、しかも冬の約2ヶ月しか使われない。コストが合わないから皆やらないわけで、始めた頃は「道楽だ」「バカだ」と色々言われたりもしました。
昔ながらの味と言えど、自身が江戸や明治の味など知る由もない。試作品の分析結果を踏まえ一歩ずつ理想とする香りと味に近づけていくしかない。
愚直ながらこの正攻法は功を奏し、2000年、臭みのないまろやかな風味をもつ「秋田しょっつる」を作り上げることができたのです。
秋田の地のハタハタ食文化が育てた「時の結晶」です。
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